31短歌31)一人の芸術家の夢みたいな人生 ― さやか、夢の中での逢瀬に期待しつつ、冗悟に向かって「おやすみなさい」 ←back INDEX /read in ENGLISH 31)(つくづくとただ惚れてのみ覚ゆれば) はかなしとまさしくみつるゆめのよをおどろかでぬるわれはひとかは 「儚しと正しく見つる夢の世を驚かで寝る我は人かは… Continue reading
31短歌30)物事をとことんその極みまで考え抜いてみる ― さやか、冗悟とはまた逢えると確信する・・・何度も何度もつながり続ける夢みたいな現実の循環の中で ←back INDEX /read in ENGLISH forward→ 30)(維摩経十喩に、此の身は夢の如しと言へる心をよめる) みるほどはゆめもゆめともしられねばうつつもいまはうつつとおもはじ 「見る程は夢も… Continue reading
31短歌29)「現実」より「夢」がいい時 ― さやか、祖父母への恋着と、自分を現実へ引き戻したものについて、思い出す ←back INDEX /read in ENGLISH forward→ 29)(子におくれて侍りける頃、夢にみてよみ侍りける) うたたねのこのよのゆめのはかなきにさめぬやがてのいのちともがな 「うたた寝のこのよの… Continue reading
31短歌28)男と女、愛と別れ、子供はどうなる? ― さやか、冗悟に、家庭内ゴシップを打ち明ける ←back INDEX /read in ENGLISH forward→ 28)(小式部内侍亡くなりて、むまごどもの侍りけるを見てよみ侍りける) とどめおきてたれをあはれとおもふらむこはまさるらむこはまさりけり 「… Continue reading
31短歌27)人生、死、そして・・・ ― さやかの最悪の、そして最良の一日 ←back INDEX /read in ENGLISH forward→ 27)(儚き事のみ多く聞こえける頃よめる) みなひとのむかしがたりになりゆくをいつまでよそにきかむとすらむ 「皆人の昔語りに成り行くを何時ま… Continue reading
31短歌26)その涙、本物? それとも拍手喝采のため? ― さやか、安っぽい感情に対する(月例の?)いらだちをぶちまける ←back INDEX /read in ENGLISH forward→ 26)(題しらず) よのなかのうきもつらきもつげなくにまづしるものはなみだなりけり 「世の中の憂きも辛きも告げなくに先づ知るものは涙なりけり… Continue reading
31短歌25)恋人どうしの甘いウソ/苦いウソ ― さやか、「裏切り」への嫌悪感が少し薄らぐ ←back INDEX /read in ENGLISH forward→ 25)(題しらず) かくばかりうしとおもふにこひしきはわれさへこころふたつありけり 「斯くばかり憂しと思ふに恋しきは我さへ心二つ有りけり」 … Continue reading
31短歌24)恋の拷問への対処法 ― さやか、恋愛カウンセラーを演じる ←back INDEX /read in ENGLISH forward→ 24)(題しらず) こひてしねこひてしねとやわぎもこがわがやのかどをすぎてゆくらむ 「恋ひて死ね恋ひて死ねとや吾妹子が我が家の門を過ぎて行く… Continue reading
31短歌23)くやんでみせるのはおねだりのため ― さやか、ヘンな恋文におびえる ←back INDEX /read in ENGLISH forward→ 23)(年頃逢はぬ人に逢ひて後に遣はしける) あひみしをうれしきこととおもひしはかへりてのちのなげきなりけり 「逢ひ見しを嬉しき事と思ひしは… Continue reading
31短歌22)「友達」から「恋人」への片道切符 ― さやか、冗悟の昔の失恋を問いただす ←back INDEX /read in ENGLISH forward→ 22)(題しらず) かたみこそいまはあだなれこれなくばわするるときもあらましものを 「形見こそ今は仇なれこれ無くば忘るる時もあらましものを」… Continue reading
31短歌21)ある女性の・・・そしてその愛の・・・生涯 ― さやか、冗悟に、その成熟ぶりを示す(・・・詩的に) ←back INDEX /read in ENGLISH forward→ 21)(千五百番歌合に、冬歌) よにふるはくるしきものをまきのやにやすくもすぐるはつしぐれかな 「よにふるは苦しきものを槇の屋に安くも過ぐる… Continue reading
31短歌20)「女」であること以外の何か ― 「小町との出会い」を受けての、さやかの決意 ←back INDEX /read in ENGLISH forward→ 20)(月の明き夜、人を待ちて) ことならばやみにぞあらましあきのよのなぞつきかげのひとだのめなる 「同ならば闇にぞあらまし秋の夜の何ぞ月影… Continue reading
31短歌19)自分から乗り込んで行って相手を捕まえるタイプ、対、夢の中でじっと待つタイプ ― さやかと「小町」の出会い ←back INDEX /read in ENGLISH forward→ 19)(題しらず) おもひつつぬればやひとのみえつらむゆめとしりせばさめざらましを 「想ひつつ寝ればや人の見えつらむ夢と知りせば醒めざらまし… Continue reading
31短歌18)愛する人と一緒に長生きしよう ― さやか、いかにして「死の願望」を乗り越えたかを思い出す ←back INDEX /read in ENGLISH forward→ 18)(人のもとに罷り初めて、朝に遣はしける) きのふまであふにしかへばとおもひしをけふはいのちのをしくもあるかな 「昨日まで逢ふにし替へば… Continue reading
31短歌17)愛の意味は人それぞれ ― さやかの告白に、冗悟たじろぐ ←back INDEX /read in ENGLISH forward→ 17)(題しらず) あはざりしときいかなりしものとてかただいまのまもみねばこひしき 「逢はざりし時如何なりしものとてか只今の間も見ねば恋しき… Continue reading
31短歌16)「我が身の主」となって時の流れを忘れる方法 ― さやか、冗悟の「完璧かつ徹底的な自分自身への誠実さ」に感嘆する ←back INDEX /read in ENGLISH forward→ 16)(年の暮れの心をよめる) なにごとをまつとはなしにあけくれてことしもけふになりにけるかな 『何事を待つとはなしに明け暮れて今年も今日に… Continue reading
31短歌15)深遠にして難解にして早すぎて理解不能 ― さやか、秋の憂愁に染まらぬ我が身を実証する ←back INDEX /read in ENGLISH forward→ 15)(題しらず) さびしさはそのいろとしもなかりけりまきたつやまのあきのゆふぐれ 「寂しさはその色としもなかりけり槇立つ山の秋の夕暮れ」 … Continue reading
31短歌14)絶望して死ぬか、生きていつか今日の日を思い出すか ― さやか、幼年期の終わりに感じた「死の願望」を思い出す ←back INDEX /read in ENGLISH forward→ 14)(題しらず) うきままにいとひしみこそをしまるれあればぞみけるあきのよのつき 「憂きままに厭ひし身こそ惜しまるれ在ればぞ見ける秋の夜の… Continue reading
31短歌13)あまりに多すぎてどれがどれだかわからない ― さやか、冗悟相手に初勝利を飾る ←back INDEX /read in ENGLISH forward→ 13)(河原院にてよみ侍りける) すだきけむむかしのひともなきやどにただかげするはあきのよのつき 「集きけむ昔の人も無き宿にただ影するは秋の… Continue reading
31短歌12)「一対一」対「大勢の中の一人」 ― さやか、冗悟の前での「自分らしさ」と群衆の中での疎外感の違いを理解する ←back INDEX /read in ENGLISH forward→ 12)(題しらず) なくむしのひとつこゑにもきこえぬはこころごころにものやかなしき 「鳴く虫の一つ声にも聞こえぬは心々に物や悲しき」 和泉式… Continue reading
31短歌11)最初こそ最高 ― さやか、冗悟の「他じゃ味わえない興奮満載」の少年時代をうらやむ ←back INDEX /read in ENGLISH forward→ 11)(詠天) そらのうみにくものなみたちつきのふねほしのはやしにこぎかくるみゆ 「空の海に雲の波立ち月の船星の林に漕ぎ隠る見ゆ」 柿本人麻… Continue reading
31短歌10)おなじみの風の中の違うメッセージ ― 冗悟、さやかに「老いの感覚」を教える ←back INDEX /read in ENGLISH forward→ 10)(秋立つ日よめる) あききぬとめにはさやかにみえねどもかぜのおとにぞおどろかれぬる 「秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞ驚かれ… Continue reading
31短歌09)芸術と人生について ― さやか、冗悟の人生観に驚く ←back INDEX /read in ENGLISH forward→ 9)(題しらず) やまかげやいはもるしみづおとさえてなつのほかなるひぐらしのこゑ 「山陰や岩漏る清水音冴えて夏の外なる蜩の声」 慈円(じゑん… Continue reading
31短歌08)語り手の心の中へ一直線&何にせよやりすぎはよくない ― さやか、率直&天才の意味を意識する ←back INDEX /read in ENGLISH forward→ 8)(男に忘られて侍りける頃、貴布禰に参りて御手洗川に蛍の飛び侍りけるを見てよめる) ものおもへばさはのほたるもわがみよりあくがれいづるたま… Continue reading
31短歌07)蛍の光はけっこう意味深 ― さやか、不思議な片思いに戸惑う ←back INDEX /read in ENGLISH forward→ 7)(寛和二年内裏歌合によめる) なくこゑもきこえぬもののかなしきはしのびにもゆるほたるなりけり 「鳴く声も聞こえぬものの哀しきは偲びに燃ゆ… Continue reading
31短歌06)年月と老齢の、詩と人への影響 ― さやか、「老いへの理解」で大人になる ←back INDEX /read in ENGLISH forward→ 6)(三月盡の心をよめる) いくかへりけふにわがみのあひぬらむをしむははるのすぐるのみかは 「幾返り今日に我が身の会ひぬらむ惜しむは春の過ぐ… Continue reading
31短歌05)無知の至福と追想の至宝 ― さやかの未来投資 ←back INDEX /read in ENGLISH forward→ 5)(題しらず) はるごとにはなのさかりはありなめどあひみむことはいのちなりけり 『春毎に花の盛りは有りなめど相見む事は命なりけり』 よみ人… Continue reading
31短歌04)唯一無二の存在とは何か ― さやか、この会話の中での自分の立ち位置について不安になる ←back INDEX /read in ENGLISH forward→ 4)(亭子院の歌合に) さくらちるこのしたかぜはさむからでそらにしられぬゆきぞふりける 「桜散る木の下風は寒からで空に知られぬ雪ぞ降りける」… Continue reading
31短歌03)動物の歌 ― さやか、詩文をいくつもそらんじて冗悟を感心させる ←back INDEX /read in ENGLISH forward→ 3)(題しらず) みれどあかぬはなのさかりにかへるかりなほふるさとのはるやこひしき 「見れど飽かぬ春の盛りに帰る雁なほ故郷の春や恋しき」 よ… Continue reading
31短歌02)気をもむサクラ ― さやか、冗悟に「青春」を問う ←back INDEX /read in ENGLISH forward→ 2)(渚院にて桜をよめる) よのなかにたえてさくらのなかりせばはるのこころはのどけからまし 『世の中に絶えて桜の無かりせば春の心は長閑けから… Continue reading
31短歌01)冷凍袖付き着物に身を包んでの裸踊り? ― さやかと冗悟の初対面 INDEX /read in ENGLISH forward→ 1)(春立ちける日よめる) そでひぢてむすびしみづのこほれるをはるたつけふのかぜやとくらむ 「袖沾ぢて掬びし水の凍れるを春立つ今日の風や解くらむ」 紀… Continue reading